インタラクティブアート展が若年層に人気、SNS映えと体験価値で来場者数が3倍に
デジタル技術を活用したインタラクティブアート展が、若年層を中心に高い人気を集めている。美術館・展示会の運営データを分析する文化施設研究センターによると、2025年のインタラクティブアート展の来場者数は約280万人に達し、3年前の約3倍に増加した。
インタラクティブアート展の特徴は、鑑賞者の動きや声に反応して作品が変化する点にある。プロジェクションマッピング、モーションセンサー、AI生成アートなどの技術が駆使され、「見る」だけでなく「参加する」体験が提供される。特に、SNS映えする没入型の空間演出が若年層の支持を集めており、来場者の約60%が20代から30代だという。
代表的な展示としては、C美術館で開催された「デジタル・ドリームスケープ」展が挙げられる。この展示では、来場者の動きに合わせて光と音が変化する10のインタラクティブ空間が用意され、3ヶ月間で15万人が来場した。入場料は平日2,000円、休日2,500円と、従来の美術展と同等ながら、平均滞在時間は90分と長く、満足度も高い。
文化施設研究センターの調査担当者は「従来の美術鑑賞とは異なり、自分自身が作品の一部になる体験が新鮮で、友人や家族と共有しやすい点が人気の理由」と分析する。
企業の体験型マーケティングへの活用も進んでおり、ブランド体験イベントやポップアップストアでのインタラクティブアート導入事例も増加している。業界関係者は「テクノロジーとアートの融合により、新しいエンターテインメントの形が確立されつつある」と述べている。