メタバース空間での没入型コンサート体験が急拡大、2025年市場規模は前年比180%増

体験型エンターテインメント市場において、メタバース空間を活用した没入型コンサート体験が急速に拡大している。調査会社のデジタルエンターテインメント研究所によると、2025年の国内メタバースコンサート市場規模は約850億円に達し、前年比180%の成長を記録する見込みだ。

特に注目されているのは、VRヘッドセットを使用した360度パノラマ映像と空間オーディオ技術を組み合わせた「フルイマーシブ型」のライブ体験だ。観客はアバターとして仮想会場に参加し、アーティストとのインタラクティブなコミュニケーションや、他の参加者との交流を楽しむことができる。

大手エンターテインメント企業A社は、今年度中に10公演以上のメタバースライブを計画しており、「物理的な会場の制約を超え、世界中のファンに同時に最高の体験を届けられる」とコメントしている。また、チケット価格は通常のライブの約半額でありながら、限定グッズのデジタル販売やアバター用アイテムの課金により、従来以上の収益を確保できるビジネスモデルが確立されつつある。

技術面では、5Gネットワークの普及により遅延が大幅に改善され、リアルタイム性の高い双方向コミュニケーションが可能になった点が大きい。業界関係者は「今後、AR技術と組み合わせたハイブリッド型イベントも増加し、2030年には市場規模が5000億円を超える」と予測している。